2022年秋季日本歯周病学会学術大会から（３）｜自由が丘の歯医者(歯科)なら石持デンタルオフィス
もう一つの注目した発表は、一般演題口演の２題
“PCR法による口腔内局所のPorphyromonas gingivalis検出の有無と基礎疾患の関係”（椙村豊彦）
”PCR法による口腔内局所のPorphyromonas gingivalis検出の有無と認知機能の関係”（外山敦史）
この２題は、関連発表で愛知県知多郡東浦町の４０〜８７歳の地域住民２７３名を対象に行った基礎疾患の問診と認知機能の検査をPorphyromonas gingivalis検出検査（当院でも使用しているオルコア装置）結果と比較検討したものです。
歯周病の全身疾患への関連やアルツハイマー型認知症との関係が示唆されている昨今とても面白い研究だと思いました。
椙村先生のPgと基礎疾患との関連の研究では、糖尿病患者にPgの保有者が多く（68.4%）、基礎疾患の既往のない方（34.3%）と比較しかなり多いデータ結果となっています。その他の疾患では基礎疾患の既往のない方の結果とそれほど変わらないことを考えると糖尿病と歯周病の相互反応にPgが大きく関与している可能性が示唆されます。もう少し対象者の多い研究が待たれるところでもあります。
外山先生のPgと認知機能との関連の研究では、Pgが検出された群で認知機能の平均の低下が認められたことから、現在研究の進んできている認知症とジンジパインとの関連を示唆する結果となっている。こちらも大規模な対象の研究が待たれるところです。
