糖尿病は血糖値が高くなる病気なので、その血糖をコントロールして、糖尿病ではない人たちと同じ状態を保つことが重要になります。
その血糖をコントロールするために病院で行っている糖尿病治療(食事や生活習慣の見直し、薬物治療)に加え、歯周病の治療が有効であるとの報告が上がってきており、医科歯科の連携が求められています。
糖尿病に歯周病治療がどのように有効であるかをご説明していきます。
歯周病は、プラーク(バイオフィルム/歯垢)と呼ばれる細菌の塊です。
プラークの中には、300種類以上、1mg中に10億個にも及ぶ細菌が集まっています。その細菌が原因で炎症を起こして歯周病に罹患するのですが、炎症放出された化学物質が血管を通じて体内に放出されます。
化学物質には、インスリン抵抗性があり、血糖値を下げにくくしてしまいます。それにより、糖尿病が発症しやすくなってしまったり、進行をさせてしまったりします。
糖尿病は多くの合併症を併発することも知られています。血管内に口腔内細菌やその生成物が流入すると血管を始め色々な臓器に運ばれ合併症をより治りづらくしていきます。
当院では、医科歯科連携を進めており、糖尿病患者様への歯周病治療を積極的に行ってきました。歯周病治療は、血糖をコントロールすることが大切で、そのためには歯周病治療と定期検診を必ず行っていただくことになります。
歯周病の原因であるプラーク(バイオフィルム/歯垢)や歯石をしっかりと除去する。そして、日々の歯磨きによるプラークコントロールを行い、口腔内を常に清潔にすることが治療の中で何よりも重要です。
歯石や付着したプラークは、ご自身のブラッシングだけでは落ちません。歯磨きを行い、歯科で定期的にお口をキレイに清掃する。その継続性が歯周病治療では最も有効で、効果が出る方法です
詳しい歯周病治療の方法に関しては、歯周病治療のページを御覧ください。
残念ながら、歯周病治療をすればすべての糖尿病患者様の血糖値が下がるわけではありません。食事や運動、生活習慣の見直しや薬物治療など糖尿病のメインの治療に歯周病治療を加える、という考え方で原因になりうる部分の治療をしっかりと行い、対策することが重要だと理解してください。