治療により虫歯と歯周病が安定してきても、最後に噛み合わせの安定が必要です。当然歯がなくなったときや、顎関節にトラブルが出てきたときも噛み合わせの安定が必要です。
どのような治療を行っても最後に患者さんは自分の歯で咀嚼をしなければいけないし、寝ている間に食いしばり(ブラキシズム)をするかもしれません。
そのため、全ての治療も噛み合わせのアジャストがないと水泡と帰する場合があるので、治療計画の立案時から最終的な咬合安定の治療を計画することがとても大事です。
咬合とは、顎関節・顎を動かす筋肉・上下の歯のかみ合わせの3つの要素で構成されています。この3つの要素が見事なハーモニーを奏でた時、本来の適正な咬合ということができます。要するに、上下の歯のかみ合わせに対して顎関節と筋肉もストレスなく機能していると適正ということができます。仮に、顎関節・筋肉・上下の歯のかみ合わせのどこかに不調がある場合は、どこかに調和がとれていないところがあることがわかります。歯が割れたり、頬の筋肉が痛かったり、入れ歯の当たるところがあったりするときのこの不調が原因の時も多いのです。
適正な咬合のため“咬合安定の治療”が必要なことも少なくありません。
まず、咬合治療を行うケースについて考えてみます。
1には、歯がある場合やない場合、すぐ治るものから重症化しているも
の、歯科矯正治療後に発症したと考えられるものなど様々なケースが含まれます。
2〜4は上下で歯の接触がないのでかみ合わせの位置の再設定をしていきます。上下のかみ合わせのランドマークがないので設定はとても難しいです。顎関節の最良の位置や筋肉群の動きやすい位置を模索する必要性が出るケースもあります。
どのような患者さんも最後に設定する咬合はとても大切です。お口の中の安定には虫歯・歯周病・咬合の3要素の管理が欠かせませんが、う蝕治療・歯周病治療がうまくいった後にかみ合わせがうまくいかず歯の喪失につながるケースもあります。入れ歯の良し悪しも噛み合わせによるところが多いです。矯正(特に成人矯正)治療ではきれいに歯は並んでいるけどそのかみ合わせでは将来心配、、、では困ります。
咬合はお口の健康の最後の要なので、当院では1本の虫歯治療でも全体のかみ合わせを意識をして治療を進めてまいります。