私たちはたくさんの微生物と共生していますが、ある環境になると悪さをするものもいます。その細菌を自分が持っているかどうかを知っておくことは、虫歯と歯周病のリスクを知る上でとても大事です。
現在の歯科医療でもリスクのある細菌をゲノム検査・RCR検査で調べることができるようになっています。
お口の中には虫歯と歯周病の原因菌がいますが、人によって持っている細菌が異なります。
自分の持っている口腔内細菌を調べておくことで、虫歯と歯周病のリスクを知ることができます。虫歯に関していえば、酸を出すミュータンス菌を持っていなければ元々虫歯にはとてもなりにくい。そうなると、甘いものお食べ方や歯の磨き方もミュータンス菌をたくさん持っている人と同じでなくてもいいのです。
また、歯周病を重症化する細菌を持っているかどうかを調べることで将来のリスクを推測することも可能です。もしあまり悪い細菌を持っていなければ必要以上に歯周病を怖がらなくてもいいのです。
歯周病は、歯周病原因菌による慢性微小炎症で歯の周りの骨が溶ける病気です。成人になると歯周ポケット内の歯周病原因菌の割合が増え、骨の溶けるスピードが速くなり歯周病が進行していきます。
特に、20歳あたりで定着してくるレッドコンプレックス(栄養共生しているPg菌、Tf菌、Td菌の3菌種)は、歯周病の進行を早める悪玉菌の代表格です。
そのほかにもFn菌やPi菌といった歯周病関連菌も今ではわかってきています。どれも持っているのがわかったら油断できない菌群で、歯周病に関して現在未病の方に是非知っておいていただきたいことです。
現在の研究ではレッドコンプレックスの中でもPg菌が歯周病にとって最も病原性の強い細菌と言われています。
Pg菌は、歯周ポケットが健康な時には低病原性なのですが、歯磨きが悪くなり歯周ポケットに出血が生じるようになると赤血球の鉄分とタンパク質を栄養素として急に高病原性になります。そして、侵襲性と言われるような骨をどんどん溶かす歯周病の原因になっていきます。
6種類に分類されるPg菌の中にあってPgⅡ型は特に強い病原性を持っているので検査により検出された場合未病でもしっかりとした歯周病予防が必要です。
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