健康な状態と病気になる状態があります。この2つの状態はどのような因子の差で生じているのでしょうか?
人の健康の状態(未病)と病気の状態は、簡単に言うと以下の3つの因子で決定されると言っていいでしょう。
遺伝子とは言わずと知れた両親からもらった遺伝情報。この情報をもとにわたしたちの形態学的、組織学的、病理学的、生理学的、免疫学的側面が決まっているようです。顔さも性格さえも遺伝子でわかる?と言われたりしています。
病気になるかならないかを左右に大きく影響しているのが免疫力。身体を守る力が強ければ病気を避けやすくなり、弱ければ病気になりやすい。免疫力も遺伝子により異なってくるので、それぞれの疾病リスクの差にもなります。どんな遺伝子を持っているかが、病気の発生に大きな影響を与えます。
私たちは周りの人(多くは生みの母親と育ての親)から受け継いだ微生物と共生関係にあることがわかっています。微生物がいないと私たちは生きていけません。わかりやすい例は腸内細菌。食事で不足している栄養素を腸内細菌が作り出し補給してくれます。栄養素以外にも彼ら微生物から受ける恩恵が徐々に明らかになってきています。ヒトの場合その微生物の多くは、母親からもらっているようです。女系でその一族に必要な微生物を受け継いでいます。ヒト以外の生物も微生物との共生しながら地球上で種を継続させています。全ては解明されていませんが、とても緻密ですばらしいシステムと言えます。
環境も大事です。遺伝子と受け継いだ微生物を最大限活かすのは環境です。生きることに不都合な環境は、病気を生み出します。環境を整備していると、遺伝子の不備を少し補えるかもしれません。しかし、近代になり環境は乱れつつあります。生活習慣を整えて未病を継続していきたいものです。
次回から口腔内の病気についてこの3つの因子を考えてみましょう。